突然雪山を歩きたくなって車を走らせた。
そういえばこの冬は雪は全然降らなかった。
当然雪山遊びもしていない。
このままで冬を終わらせるものか、
雪の上でランチをしなくては。
思い立って行ったため、着いたのはお昼少し前。
雪道運転のアプローチは苦手で心配だったけれど、
駐車場の手前に少し雪があっただけで普通に走れて助かった。
着いたら車の温度表示がマイナス2度になっていて、
家を出る時の10度と比べるとさすが低いので驚いた。
平地は快晴だったのにここには小雪が舞っている。
思えば標高差が1000メートル近くある。
ここは車を降りたら突然雪山の入り口なので、
アイゼンを装着してから登りだす便利な雪山である。
凍える手に冬用の手袋をしたけれどしばらくは冷たかった。
アイゼンはこのシーズンで初めてだった。
午後の出発は無理は禁物。
行けるところまで雪を楽しみ、ご飯を食べて3時には戻ろう。
そう思いながら、ザクッ、ザクッと気持ちいいアイゼン音を立て、
凍てついた雪道を登る。
時間が遅いので下りてくる人は数人いても、後から来る人はいない。
今日は靄っていて富士山は見えなかったけれど、
念願の雪景色は昨日の雨が雪だったらしく、
ふあふあの新雪が枯れ木にくっつき、
梅の花を満開にさせているようだった。
一時間ほど眺めの良い場所まで登って、お昼にした。
誰もいない高原に吹きすさぶ風と舞い上がる雪。
お鍋が飛びそうになる、なかなかのランチタイムだ。