今日も熊本の方でやや強い地震があった。
天災は前触れもなくやってくるので、
ひとたび大地震が来たらと思うだけで本当に恐ろしい。
特に私たちは3.11を経験したから実感として理解できる。
ニュース速報を聞いていると、先日見た富士に落ちていく太陽を思い出した。
夕方の日暮れ時のこと、電車の窓から富士山がはっきりと見えていた。
冬は空気が澄んでいるので、まるで歩いて行けるほど近くに見える。
ちょうど日が沈むころで、富士山の真上に真っ赤な太陽がさしかかり、
頂上に後光のように光った。
友達が座席から立ち上がって扉の方に行き、
「こんなの滅多にない」と喜んで、窓ガラスに張りつくように眺めている。
私もこんなうまく夕日とマッチした富士山を見るのは初めてだったので、
食い入るように見た。
赤いお日様は西に住む人々の方へ行って、
反対に私たちはお昼と同じぐらいの時間を暗闇の世界で過ごす。
実はこのお日様が全然動かず、
私たちのいる地球の方が動いているなんて想像もつかない。
お日様は明日になるとまた私たちの世界を照らすけれど、
ひとたび巨大地震でも襲ったら、太陽を見られなくなる人々が出てくる。
それが何処の誰なのかは分からない。
天災の不可避な地球とは危ういものだ。
そもそも地球も太陽も理解しがたい空間に、
永遠の時を刻んで浮いているのだった。
そのことだけでも、生きているとは奇跡なのかもしれないと思ってしまう。