今日で二月がもう終わる。
毎年のことだけれど、とりわけこの時期は時が経つのが早く感じてならない。
大昔の人は明るくなったら活動を始め、暗くなったらじっとして、
眠くなったら寝ていたのだろう。
それを一日という概念で捉え、石ころか何かで数える人も出てきて、
色々と複雑になったに違いない。
そのうち頭の良い人が時間に単位を決め、
一日が24時間で1時間が60分と数値化した。
おかげで人の活動も共通の区切りができて便利になった。
そんな当時から時間は伸び縮みなどせず、一定の周期で時が経巡った。
朝が来て夜が来て、また朝が来て、一日が繰り返される。
なのに、子供の頃と今では全然長さの感じが違うのはどうしてだろう。
子供の頃はひと月が本当に長かった。
楽しい日は首を長くするほど待ってようやくやってきた。
今は何と昨日と今日がひと月ほど近くなっている。
おかげで一週間前に借りた本がとうに二週間を過ぎたりして慌てたりする。
人はよく砂時計を例にするけれど、
確かに時の過ぎゆくスピードは残り時間が多いとゆっくりだし、
少ないほど速く感じる。
でも、やはり、時間の感じ方は心の問題だと思う。
残り時間がないという心が、
人の持つスピードの感じ方を速めてしまうのかも知れない。