年末になって風邪を押して少しずつ掃除をしている。
毎年のことだが、荷物の多さに我ながら呆れてしまう。
特段浪費癖があるわけではないのに、去年はなかったものが存在するのだ。
例えば椅子二つ。
これは友人宅から捨てるというものをもらってきた。
結構丈夫な椅子だ。
使ってはいないのに部屋の隅を占領している。
ミニマリストという生き方を知って憧れていたけれど、
自分には到底無理だということが、この椅子だけで分かる。
貰ったものさえ捨てられないのだから。
そのミニマリスト、一部屋ですべて事足りるとか。
冷蔵庫はスーパーやコンビニがその代わりとなり、
服も同じようなものを季節に一式のみ。
我が家のタオルなどは数えたら30枚は下らない。
ウエスにするまでは使い続ける。
服も10年前のがクローゼットいっぱいにかかっている。
着ないと分かっているのに、
高かったからいつか着るかもしれないと思ったりする。
毎日スーパーに行くのは嫌だから、保存できるものはまとめ買いしている。
そのためストック棚はいつもいっぱいだ。
ビデオやCD等は大方捨てたけれど、DVDは増え続けている。
ミニマリストは生活に必要なものを切り捨てていくことで、
裸で生まれた人間に、本当に大切なものは何かを問うている。
少しは学ばなければならないなあといつも思うが、
そのストイックさは尋常ではない。
でも、物を持たないことを突き詰めると、人の行きつく先は何処だろう。
ヒトは道具を作って物を作り自分の生きる環境を作り上げで来たのだから。
そんなふうに有史以来生きてきたのだから。
何も必要としなくなった「無の世界」、つまり、それが行きつく先か。