山から下って川沿いの道を歩いていた時、
濃い緑の小さな実をつけた柚子の木があった。
よく見ると川向こうの下草に覆われた土地には、
大きな柚子の木がまるでジャングルのように何本もあった。
青い柚子は柚子トウガラシの原料だ。
私は友達に枝を手繰り寄せてもらい実をちぎり採った。
川沿いのものならそのぐらい貰っていいだろう。
わずか3個しか採れなかったけれど、
我が家の庭には地面に倒れた青唐辛子が数本ある。
そこで、それらをスライスしてお塩と混ぜ、
フードプロセッサーで細かくした。
これでそれらしき柚子胡椒が出来上がるに違いない。
粉砕された材料の香りは想像通りに市販のそれに近く、
舌先で舐めたら味もなかなか良いように感じた。
量が余りにも少なかったから丁寧に掬い取り、
小さな瓶に2つ詰める。
早速ソーメンを茹でてみた。
つゆにつけると、ふむ、なかなか良いではないか。
生まれて初めてにしては上出来だと自画自賛した。
柚子胡椒ってどうしてこんなに食欲を増進させるのだろう。
それにしても青柚子と青唐辛子という素晴らしいアイディア。
この絶妙な未熟な実と香味野菜のコラボを、
先人たちはよく考えだしたものだと感心する。