10日ほど前に、いや、もっと2週間ほど前に作った紫オニオンの酢漬け、
タッパーに入れたまますっかり忘れていた。
今朝、冷蔵庫から見つけ、食卓に出してみた。
恐る恐る蓋を開けると芯から新しい芽が伸びているではないか。
酢に浸かっている本体から新しく白い芽を伸ばしたのだ。
血の通う生き物だったらこうはいかない。
生き物には必ず生命の終焉がある。
私という存在が死して再び蘇ることはない。
せいぜい子や孫が似たようなコピーを引き継ぐだけだ。
その点、植物という存在は過酷な状況からでも再生しようとする。
水がなくとも、土がなくとも、光がなくとも、
その個体の植物の生命を持続させようとする。
再生野菜栽培は捨てるはずの根や葉などを、
再び土や水を与え新しく生まれ変わらせる方法だ。
白菜やキャベツの芯などもできると言うが、
私の少ない経験だけど、
食べるほどには大きく育てることはなかった。
とても広い敷地があれば収穫し終わった野菜などを、
畑の隅に放置していれば新しい芽を取ることができる。
でも、それはあくまでも趣味のようなものである。
持続可能な暮らしを目指すとはいえ、
まだまだ再生野菜の栽培は実用的ではない。
でも、酢漬けの玉ねぎの生命力を見ると、
未来に少しだけ希望が湧いてくる。