今日は用事があったので、それを先に済ませようと思い、
ナビは苦手な私が、ナビに目的地を入れて走ってみた。
いつも通っている道を少し違えて通ってみると、
初めて見る景色と珍しい地名が目に入り、何やら旅をしている気分になる。
人は見慣れない光景に出あうと心が躍る。
道に対して変化は好きだけれど、
なるべくなら目的地まで見知ったルートを通るのが安全だ。
でも、今日はなぜかナビを信じることにしたのである。
前回の長旅で少し自信がついたのかもしれず、
初めての道が冒険心をそそった。
実はそこには何度か訪れていて、方向が違うだけなのである。
前に行った時は西から東、今日は東から西である。
それでも日常とは異なる景色がフロントガラスいっぱいに広がる。
そんな小さなことで喜ぶことができる私はある意味幸せ者だ。
何もわざわざ旅することだけが、旅ではない。
目的地まで違う道を辿るのもひとつの旅である。
思えば人生という長い旅は小さな旅の集まりだ。
長い旅は一度きりなのだからもっと多くの小さな旅をしなければ。
小さな旅には幾多の目的地がある。