日曜日のスーパーはいつも混んでいる。
私はたいていの買い物は平日にしているけれど、
このところのコロナ自粛のせいで日曜日が暇になり、
今日はいつものスーパーに混むと知りながら行ってきた。
このスーパーはこの周辺では安いので、
日曜日は遠方からも買い物客がやって来る。
店を一回りして、
お野菜や肉などを買い物かご二つに山盛りにしてレジに並んだ。
レジは一定の距離に線が引かれ、
礼儀正しい?買い物客はちゃんとその線手前に立っている。
私の後続は若い奥さん風の人で、
私と同じようにかご二つにたくさんの食材を入れていた。
きっと共働き夫婦のための日曜の買い出しなのだろう。
私のレジが済むと、彼女がレジ前に進み、私は置き台の方へ移動した。
そこで面倒な袋入れをしていると、後続の女性が私の横に来た。
なぜかその時、彼女のカートの押し方が悪かったらしく、
買い物かごが落ちてしまい、食品が床に散乱した。
中には唐揚げのパックもあり、2個ほどの唐揚げが外に飛び出してしまった。
私はもちろん「大丈夫?」と声をかけ、
カップ麺などを拾ってあげた。
すると、それに気づいたレジの女性がごった返しているレジを止め、
彼女の買ったチキンの唐揚げを新しいのに替えると言ってきた。
女性は断っていたが、レジの人はマイクで係員を呼び出し、
係員が新しい唐揚げを持ってきて、その差額を計算し、
おつりを出していた。
その周到な連係プレーが見ている私の心を温かくした。
私が声をかけたから気づいてくれたのかなと思ったりもした。
この店は毎週通っている。
人手不足で職員は疲弊しているようにしか見えなかったけれど、
何とも親切ではないか。
店の責任ではなく客の落ち度なのに。
そう思うと、馴染みのこの店がとても好きになった。
でも、こうした心温まる人対人の行為も、
レジが無人になったら見られなくなると思うと淋しすぎる。