いつも買い物をしている近くのスーパーの魚売り場は、
アジやサバなどがそのまま発泡スチロールの箱の中に入って売られている。
氷に浸かったそれらは、まるで水揚げされたばかりのように新鮮に思えて、
私はとても気に入っていた。
ところが、ここのところ異変が起きている。
イワシやアジなどの生魚が、
肉と同じ白いトレーに入って売られ始めたのである。
一抱えほどもある大きなタイやタチウオなども、
大型のトレーに入れられて並んでいる。
トレーの中の魚には新鮮さが消えた気がする。
おかげで魚売り場が一変してしまい、
珍しい魚をじっと眺める子供や客も減った。
前は氷水に浸かった魚をトングで選び取り、
透明ポリ袋に入れて買い物した。
レジでの精算は手間がかかるけれど、
「アジ2尾ですね」とか「サンマ3尾ですね」などという、
店員と客との短い会話もあった。
トレー方式だと無人レジでも会計可能だ。
将来の無人化のためにしているのだろうか。
大体このスーパーもレジの人員がいつも不足している。
念のため揚げ物などの他の売り場も調べてみたら、
トングを使っての品選びが消えている。
もしかしたらコロナウイルスへの感染対策なのか。
といってもキャベツやホウレン草などの青果は、
そのまま山積みで売られていて、
ほとんどの客が葉をあちこち触って確かめてから買っている。
生野菜で食べる人もいるというのに。
感染対策ならそれら野菜もすべてラップがけされているだろう。
おかげで我が家のトレーは増えまくっている。
一体どういう理由で鮮魚の売り方を変えたのだろうか。
環境に悪い影響を与えるマイクロプラスチックが問題になっているのに、
時代に逆行しているみたいで気がかりでならない。
今度行くときは店の人に尋ねてみようと思っている。