昨夜はなかなか良い車中泊スポットがあって、
キャンピングカーやワゴン車など、
多くのそれらしき車が夜を過ごしていた。
近くには小さな魚市場もあって、
買い物もできたし美味しい食事もできた。
車の中はとても狭いけれど、とても楽しい。
まるでままごとをしているようなワクワク感がある。
根っからの貧乏性なのだろう、
小さな車をとことん駆使することに意義を感じる。
持ってきたDVDプレーヤーで、
お酒を飲みながらFBI関係のドラマを2本も見た。
我が家はふたり揃った時は必ず海外ドラマのシリーズを見るのだ。
ドラマはいつものようにレンタルビデオ屋で借りていたもので、
私には内容が複雑すぎて分かりにくかったが、
夫は面白いと言っていた。
本当は家にいたいのに私についてきてくれたと思うと、
ドラマが面白かったことに安堵した。
夜、空にはまん丸い月が出ていた。
まさか中秋の名月を海の近くで眺められるなんて。
しかも部屋ではなく外の続きのような車内で。
何という贅沢な時なのだろう。
そのせいか目を閉じてもなかなか寝付けない。
キャンピングカーやワゴン車の室内灯が消えてしまい、
段々と夜は更けていった。
夫は寝息を立てている。
なのに、私はちっとも眠くならなかった。
結局寝たような寝ないような時が過ぎ、
3時に目が覚め、5時まで待って起き出した。
それから、コーヒーを買って昨日の海岸まで走った。
休日のせいか釣り客がもう数人来ていた。
砂浜にはテントを張った二人連れが楽しそうに遊んでいた。
私は昨夜から水に浸しておいた無洗米に火を入れた。
最近、無洗米の炊き方が上手になった。
ふかふかに炊きあがった白米と昨日買ったウニで朝食にした。
小さな椅子を外に置き、海を眺めながら箸を持つ。
さて、今日はどこへ寄って帰ろうか。
それとも保冷バッグに入れたノドグロ、早く帰って唐揚げにしようか。
そんなことを考えながら、
打ち寄せる波に釣り糸を投げ込む釣り人を眺めていた。