コロナウイルスが世界中に蔓延して、
出口のない苦悩に陥っているかのようだ。
私も人ごみに出かけたいのに我慢を強いられている。
こうして、人々が世界中を自由に動くことのできるグローバルな理想社会から、
一気に閉鎖的世界、いわば鎖国の様相へと向かっている。
人類の歴史上かつてないことだ。
こんな状態がいつまで続くのか?
神様だって知ってはいない。
このウイルスは、学者の分析によると、
陽性になっても症状が軽い人も多いらしい。
特に若い人は軽いという。
そんな人は医療現場が混乱しないように、
いずれ自宅療養の処置になるらしい。
風邪っぽくなったら必ず医者にかかる人がいるけれど、
私は滅多なことで病院には行かない。
何しろ風邪というものは即効性の治療薬などなくて、
ある程度熱が出て苦しんだ後に、
自然と潮が引くように治るものだ。
もし即効薬を発明出来たら大金持ちになるほどの大発明になると言われている。
インフルの予防薬とて効果が問題視されているのだし。
以前は結核に感染して自宅療養している人が多くいた。
栄養状態が悪かったから、
完治するには長い療養暮らしをしなければならなかった。
家族も伝染を恐れていた。
有名な作家や画家などたいていが結核で早世した。
数えるときりがないほどだ。
結核で死んだ人は一体何人だったのか。
今はペニシリンの発見によって怖くない病となり、
時折院内感染のニュースがある程度になった。
そう思うと、人類は死に至る病の不安を常に持っていた。
赤子の生存率は低く、感染症の頻度は高かった。
法定伝染病も10以上あった。
それを考えると、
伝染に関しては現代は怖いものなしの世界になっていたと思う。
旅人はビザなしで多くの国へ行き、
様々な食べものを食べ、物流も底なしになっていた。
飛行場の「検疫」の文字で、ふと心配がほんの少し甦る程度だ。
私も含め能天気だった。
そんな世界が当たり前となって、
人間の不遜さが生物世界に溜まっていたのではないか。
それがガス抜きのように破裂したのか。
世界の秩序がこれ以上崩れないように、
どこかで帳尻を合わせているのかもしれない。
私たちは感染から逃れられないのか。
どうしたらウイルスに負けない心身になれるのか?
とにかくよく寝てよく食べてよく運動することしか、
方法はないようだ。