今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

モロッコは古くて新しく、新しくて古い不思議な国

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昨日はラバトから230キロもの長い道をクネクネとバスは走った。

どうやらスペインまで海底を通って続くという、

長いリフ山脈を走っているらしく、

茶褐色の山々がずっと見えている。

 

車窓に映る風景はまるで異国そのものだった。

かつて旅したどの国よりも自己主張が強い。

大地の色もカスバの壁の色も、

幾何学模様の美しい建造物も人々の服装も、

ここは、イスラムだという主張。

それは、驚くべき力で私を打ちのめしそうな気がする。

 

広大な不毛にも見える土地に小さな集落がポツポツとあり、

集落には市場が見え、その場所には人が集まっている。

 

草木一本ない田園地帯には、

井戸に水を汲みに来ている人たちも見える。

あの人たちはどこに住んでいるのだろう、

周りに家のようなものはない。

 

舗装道路を行きかう車は最新のものも多いし、

町では小さな子さえスマフォを見ている。

もちろんアラブ服の大人はほとんどスマフォを手にしている。

服装が昔ながらだから武士がスマフォ見ているような感覚がした。

 

また丘陵地帯の沿道には人の姿はないが、

昔さながらノマドの飼う羊が餌を探している。

そんな光景にたくさん遭遇した。

今時、遊牧民ノマドが生活できるなんてと、

そのアンバランスさに驚いてしまう。

 

寝不足のせいでバスに酔ってしまったらしく、

胸がムカムカとしてきた。

前の客がひっきりなしに大声で喋り続けているのも身体に応えた。

 

景色を見ていると目が回るので、

仕方なく座席に九の字型になって横たわった。

 

しばらくすると間欠的に吐き気がこみ上げてきて、

ついに誰にも気づかれないように足元にうずくまって嘔吐した。

おかげでその後は大分気分が良くなり、ほっとした。

 

バスはレストランの前に止まったけれど、

当然、メニューのケバブ料理には一口も手を付けられなかった。

他のツアー客が喜々として食べているのを見るのは辛かった。

健康っていいなあと羨ましかった。

 

日本語をペラペラ喋る店の人に驚きながら、

お昼を済ました後は、青い町をガイドの案内で回った。

ここも迷路になっていて、迷うとひとりでは抜け出せないようだ。

20世紀までは異教徒は入れず、イスラム教徒の聖地だったらしい。

なぜ町全体が青く塗られるようになったかははっきりしていない。

 

そんなこんなでとても美しい青い町シヤウエンの観光はできたけれど、

再びバスに乗り込み、また200キロ以上移動しなければならない。

目指す町は世界一の迷宮都市フェズだ。

フェズのメディナには1000本以上の路地があるという。

凄いところだなあ。

 

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(写真上:奥には釜が見えた 写真下:売り物の籠の配置がさり気なくセンス溢れる)