眠りの浅い私、眠りを妨げるのはまずは寝入りざまのトイレ。
これは殆どまだ真夜中ではなくその日の夜の内だから、
しばらく横になっているといつの間にか寝入ることができる。
ところが、1時頃か2時頃か、そのうち身体の一部が痒くなる。
朦朧とした頭で、「蚊がいるな」と思うが、
一か所目ではまだ眠気のせいで起き上がる気にはなれない。
ところが、すぐに痒みを体のあちこちに感じるようになる。
特に手や足をやられている。
半分眠ったままそれを1、2、3と数えていくけれど、
大体が判を押したように8か所を刺されたと分かり、
ついに我慢ができなくなる。
照明をつけマッチを擦って蚊取り線香をつける。
頭の近くで白煙が見えると安堵するが、
最近の蚊は線香の匂いに強くなったのか、それでも襲ってくる。
「ブーン」と羽音が顔の周りですると、完全に目が覚めてしまう。
それからが地獄の不眠時間となり、
シュールな夢や苦しい夢にうなされ始める。
やがて、空が白みがかり朝を告げる頃、最後の短い睡眠が訪れる。
それにしてもなぜ真夜中から襲ってくるのか。
サッシに隙間が出来ていて、
それをやっと見つけた蚊どもが一斉にやって来るのか。
こういう日々が続くので困っている。
そこで、昔買ったキャンプ用のテントを取り出して、
試しに寝室に張ってみることにした。
それは、夏用のものでインナー(内張り)は全面メッシュになっている。
このメッシュが昭和の時代に使われていた蚊帳の代りにならないものか。
ケミカルなものは苦手だから良いアイデアだと思った。
吹き出る汗を拭きながら寝室でテントを張ってみた。
広さはかなりあってお布団を中に敷いても余るぐらいだ。
でも、昔の蚊帳と違って吊り下げ式ではないので、
底はナイロン生地のようなもので密閉されている。
要するにメッシュでできたカプセルのようなもの。
試しに横になってみたけれど、
さすがに暑苦しく感じられて寝てられない。
風は通っても密閉感で暑さをより感じてしまう。
トイレに行くにもいちいち出口のチャックを開けなければならず、
使い勝手がとても悪い。
やはり、テントというものは涼しい屋外で使うもので、
室内で蚊帳の代りに使うことは無理なようだ。
今夜は多めに蚊取りを用意しておこう。
それよりサッシを閉め忘れてないかよく確かめなければならない。