夏が終わって涼しくなってから、
暇を見つけては冬野菜の準備をしている。
小さな庭とはいえ雑草をむしり取るのはなかなか手ごわい。
でも、世話をすればするだけの収穫がそれなりにはある。
今は先月撒いた大根と京菜(水菜)の葉が10センチほどに育っている。
適当に種を撒くので密なところを抜き少しずつ一本にしていく。
間引いた大根の若い葉は朝のお味噌汁の具にちょうど良く、
京菜はよく洗って生のままで緑色のアクセントにする。
消毒はしないため大根の葉っぱには虫食いがある。
春は蝶みたいなものの幼虫が多いけれど、
今は緑色をしたオンブバッタが止まっている。
取りに行くたびに止まっているので、
それが葉っぱを食べているのだろうと思った。
今までは気にしていなかったのに、
そのバッタを見ると足で踏んで殺すようになった。
あまりにも無残に葉を食べてしまうからやっつけたのだ。
毎日のことだからもうオンブバッタを10回は踏んづけたようだ。
バッタは大小2匹でそれを踏むと合計20匹はやっつけたことになる。
虫が大嫌いな私だったけれど、なぜか子供の頃バッタは恐くなかった。
よく手でつまんでは遊んだものだった。
だからこそ、踏むたびに「ごめんなさいね」と呟くのだけれど、
私に罪はあるのだろうか。
人は息をするたびに無数の空中の微生物を殺し、
また歩くたびに地上の微生物を殺している。
また食べるたびに膨大な命を貰っている。
だから、人間は断末魔の苦しみなしにはこの世から去れないと、
何かの本に書かれてあったっけ。