電車に乗り都会に行くと、不思議な気分になる。
電車に運よく座ることが出来ても、隣に全然知らない人の体温を感じ、
田舎者の私は何だか違和感を覚えて窮屈だ。
自分のおしゃれとは程遠い服装も、前の人に見られているようで気になる。
ひとり一台の車社会の田舎ではあり得ないから。
他人との密着は最初は妙な感じだけれど、すぐに当たり前になっていく。
電車が揺れればその人に寄り掛かったりするから凄い。
同性も異性も老若も関係なく座席にすし詰めだ。
そういう意味では、都会は田舎とは違い、他人の体温を感じる世界に思える。
田舎ではよほどのお祭り以外は、
これほど物理的に他人に近づくことはない。
でも、都会の雑踏では物理的に近いだけで、その人に人となりを求めない。
あんなにくっつきあっていても、その人と話を交わすことはないように思える。
私の着古したジーンズなどどうでも良いことだ。
とても不思議な世界である。
田舎ばかりにいるとこんな感覚は味わえない。
異質の体験は人間にとってとても大切なことに思う。
都会の近くて遠い関係と、田舎の遠くても近い関係。
電車に乗ると違いが際立ち、また行きたくなる。