図書館でふと目にした旅の本だが、
これが面白くてソファーに座って読みふけった。
ユーモラスな文章で笑いも誘う。
館が閉館時間になるまでいてしまい、
帰宅してからも続けて読んだ。
内容は世界を旅してる20代の若い女性が、
様々な異国の刺激を受けながら、
地元の人たちと一緒に暮らした話である。
数か月の間に家族のようになって、再訪もしている。
もともと旅物が好きな私、
著者の感性がとても人間的な優しさに満ちていて、
読んでいて気持ちが良いことばかりだった。
人に騙された後、人を疑う自分がいるのを悲しんでいるのだ。
驚いたことに、奥付に印刷された発行年月日が
「核時代45年〇月〇日」とあり、晴天の霹靂だった。
この出版社の姿勢が何を主張したいのかよく分かる。
1945は原子爆弾が投下された年、
これを基軸に年を表現するなんて。
戦後〇〇年という表し方は耳に慣れていても核時代とは。
図書館に行くと、こうした素晴らしい古い本にも出合えるので、
定期的に通うことは大切だ。
そのために私は図書館で、
返却本を書架に戻す作業をボランティアでやっている。
でも、こんな日は読みたい一心で仕事にならない。
(後で調べたらこの本は一部、高校の教科書に採用されたらしい)