あいにくの雨模様のせいか観光客は以前より少なく感じた。
雨でも何でも遠くから来た観光客は予定をこなすだろうから、
平日だったせいかもしれない。
いや、豊洲に流れたのかな。
それでもお昼近くになると客が増えてきてほっとした。
雨でも晴れでも師走の築地はごった返していて欲しいと思う。
市場は狭くてごちゃごちゃして古い方が活気を感じる。
市場に人が引かれるのはそのごみごみとした郷愁のせいだ。
昔は日本中にこんなふうな市場があって、
人々は毎日のように買い物をした。
たいていの店が何でもむき出しに陳列していて、決して清潔とは言えなかった。
そういえばソウルの市場も道端に野菜など並べていたっけ。
新しくハイテクな店は安全で清潔だけれど、味気ない気がする。
お昼に入った海鮮料理屋。
威勢の良いおじさんの手招きに負けて入った。
そこには安物テーブルと椅子が所狭しと並んでいたが、
場外の中でも高級?な方だと思われた。
案内された席はすぐ隣に他の客が座っていて、会話も耳元で聞こえる。
頼んだお徳用なランチにはすり身の汁椀がついて、握り三つと海鮮丼。
量もたっぷりで味も良く、ネタも新鮮でとても美味しかった。
しゃれた内装の料理屋も良いけれど、市場の喧騒の中の食事も魅力的。
会計はたったの1500円。
さすが築地だと満足して、店を出た。