この頃はすっかり毎日が同じように感じられて、
暮れとかお正月とかピンとこなくなった。
なぜそんなふうになってしまったのか不思議だ。
以前は伝統に我が家の乗っ取った?お節の用意をしたり、
三が日分のお雑煮のだしを大鍋に作ったりした。
でも、最近は当然のように年賀状も書かないし、
お屠蘇も用意しないし、玄関にしめ飾りを下げることもなくなった。
大昔は新年の車にはしめ飾りがしてあったし、
家々にも門松が立っていた。
一年を息災に過ごせた感謝と、
新年の多幸への思いが込められていた。
なぜこうも日常と変わらないようになったのだろうか。
それはきっと暮らしが豊かになったから、
新年だと言って取り立てて贅沢なものを欲しないからだと思う。
年越しそばでも食べればいいかと。
そんなふうに今年も大晦日を迎えたら、
ふと鏡餅を買っていないことに気が付いた。
伝統は捨てたとはいえ、
小さな鏡餅だけは各部屋に飾っていたのだった。
夕方にスーパーに行くと鏡餅は売り切れで、
最後の頼みの百円ショップもそうだった。
もしやと思ってドラッグストアに寄ってみたら、
レジのそばに一つ10円という格安の値段で、
売れ残ったらしい20個ほどがたたき売りされていた。
プラパックに入った100グラムの鏡餅だけど、
これを飾ればお正月気分になれる。
5個取って買い物かごに入れ、
さすがに50円では悪いので、
家に3袋もあるお雑煮用の切り餅も買うことにした。
さて、これで年越しの準備は終わりだ。