雲行きは怪しかったけれど、
私の手作りお弁当を持って同居人の夫が出かけると、
ひとりでリトルヒルに向かった。
最近はマイキッチンになかなか行けず、
今日こそは行こうと決意したのだ。
前回友人たちに披露しようとして失敗したアルコールストーブに、
もう一度トライしてみたいという思いもあった。
最近は朝のコーヒーのお湯を作って楽しんでいるだけだから。
コッヘルの中にラーメンとアルミ缶ストーブを入れる。
とても軽量で、ガスバーナーの6分の1しかない。
これなら山ラン用の小さなザックにも入りそうだ。
脚力が落ちているから、
成功すれば良いツールになりそうと少しだけ期待した。
さて、いつもの場所に着き、お昼の用意を始める。
地面に朝の残りの野菜炒めとゆで卵を並べ、梨のデザートも置く。
何てことないインスタントラーメンだけれど、
それなりの儀式が必要だ。
アルミ缶アルストに五徳を置き、
子供用の薬瓶に入った燃料を注ぐ。
ガスと違ってゆったりとするのがとても良い気分。
ところが、火を点けてもまわりが明るいので炎が見えず、
心持が不安になる。
ゴーッという音もしないし料理?をしている気分がない。
案の定、なかなか沸騰せず、
いつの間にかポンと音を立てて消えてしまった。
アルミ缶が冷めるのを待って再び着火。
そんなこんなで倍の燃料を使ってようやく食事にありつけた。
これでは貴重な燃料があっという間になくなってしまう。
いくら軽量でもアウトドアランチには向いていない。
やはり、アルコールの炎はその青い色を見つめながら、
夜や早朝のうす暗さの下でコーヒーの湯を沸かすのがいちばんだ。
というわけで、私の作品は野外では使えない欠陥品だと思う。