大分身体が回復してきた。
残すところは多少の頭痛と肩こり、鼻水の症状があるだけ。
足もふらつかなくなった。
熱もないので家に籠るよりは出かけた方が良いと思い、
片道1時間半ほどかけて焚火をしに行ってきた。
そこは平地の森にある野営地で平日はほとんど客はいない。
でも、昨今のコロナによる異常なファミリーキャンプブームのため、
休みの予約は常に満杯らしい。
突然思い立ったので料理などの用意はできず、
米袋に貯まっていた庭の植栽の枯葉や枯れ木を車に積んだ。
同じ時を過ごすなら焚火の炎を見て過ごそう。
枯れ木を燃やすだけにこれだけのコストをかけるのは、
無駄と思われそうだけれど、
人にはそれぞれの癒され方がある。
何と優雅な時の過ごし方だろうか。
野営地には立派な炉もあるけれど、
今日は家のバーベキュー炉を古い毛布に包んで持ってきた。
燃えカスは消し炭にして、灰は菜園のために持ち帰るつもりだから。
広いオートキャンプ地にはひとり先客がいて、
長い細煙突のあるアウトドア用の薪ストーブを優雅に熾していた。
テントもしゃれたティピふうである。
かたわらにはビールのロング缶と日本酒の箱が置いてある。
聞くと、近くに住む人で、
突然の休みを炎を見ながらひとり過ごすために来たらしい。
何て素敵な人、さわやかな好青年だ。
どうやら常連さんらしく、
今夜はたったひとりまことの闇の中で過ごすらしい。
私はデイキャンプの申し込みなので、
早々と四時にはチェックアウトしなければならない。
着いたのがお昼過ぎだったから、たったの3時間だ。
枯れ木を燃やすのにも時間が足りない。
でも、誰に遠慮もせず木々を燃やし、
はじける炎を眺めていると、
長引いていた風邪がどこかにふっ飛んでいくようだった。
焚火は夜の暗闇によく似合う。
今度はぜひゆっくりと過ごしたいものだ。
そう思いながら殆ど残った米袋の木々をまた車に戻し、
帰り支度をした。