吹きすさぶ烈風の中、仲間と辿りついた山の小屋、
この石造りの堅牢な小屋は、広い尾根にポツンと建っている。
それは、360度の広い空と笹原の大地に支えられ
汗まみれの私たちを優しく迎えてくれた。
持ち寄ったおつまみととりあえずの乾杯の後は
料理上手な仲間が夕餉の支度にかかる。
外に出ると、懐中電灯の明かりが小屋の窓から洩れている。
その風景はまるで物語の中の峠の我が家のよう。
西の空に落ちる夕日が金色から茜色にたなびき、しばし私たちは歓声を上げた。
仲間と過ごす避難小屋は実にリッチな宿になる。