今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

ゲルニカとマリウポリと

 

先日、早朝からラジオをつけていたら、

その日がピカソの大作『ゲルニカ』で有名な都市、

ゲルニカが爆撃された日だと放送していた。

ゲルニカはスペイン北部のバスク地方の都市で、

スペイン内戦の際、一度の無差別空爆のために廃墟となった象徴的な地である。

 

スペインの内戦は右派から共和国連合に政権が変わっていた当時、

フランコ将軍率いる軍事クーデターによって引き起こされた。

それに対抗し、政権側の左派は人民戦線を立ち上げ、激しい内戦となった。

 

ゲルニカ爆撃のニュースは世界に流され、

ヘミングウェイオーウェル、マルロー、

その他著名な作家達も義勇兵となって人民戦線側についた。

ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』は映画にもなったほどだ。

従軍カメラマン、ロバート・キャパは幾つもの写真を世界に発表した。

 

ナチスドイツ側はこの機に乗じていわゆる義勇兵を同じく用い、

人民戦線を壊滅させる目的で、

ゲルニカを組織されたばかりの空軍の実験場にした。

歴史上初めての空からの爆撃による市民への無差別攻撃となった。

 

ナチス側は国籍を隠すため鍵十字のマークを消して爆撃したのだった。

それから内戦は3年近くも続き、勝利したフランコバスク語を禁止し、

左派に対しての弾圧を行い世界から批判を浴びた。

 

ナチスはどうすれば効率よく都市を破壊できるか、

壮絶な実験をしたことになる。

1度だけの爆撃だったが、

その時得られたデータは他の都市の空爆に利用され、

ポーランドやオランダ、ベルギー、

フランスへと破竹の勢いで侵攻していくことになる。

 

パリにいた反ファシズムピカソは怒りという情熱によって、

大作『ゲルニカ』を完成させた。

もし今、彼がいたらマリウポリの惨状をどう表現するのだろう。

まさか21世紀の現代に、

前世紀さながらの悲劇が繰り返されるとはと嘆くはずだ。

マリウポリとはマリアの町という名前なのだ。

 

一方的な思い込みの国が好き勝手に他国を叩き潰そうとしているのに、

即座に助けられないのはあまりにも辛いではないか。

ロシアこそナチスではないか。

 

ゲルニカから85年、人類の未来は想像もできなくなった。