大分身体の調子が元に戻ったので、
たまには家事をしないで過ごしてみようと、旅をすることにした。
全快祝いのちょっとした贅沢旅だ。
ネットで食事がとても評判の良いペンションを見つけ、
残雪の谷川岳を仰ぎ見ることの出来る水上までやってきた。
ここへ来たのは去年の秋の紅葉時だった。
あの時はひとりで一ノ倉の岸壁が見える場所まで歩いたけれど、
今回はまだ雪崩の危険があるから通行は禁止されているかもしれない。
宿の夕食までには早いので、道の駅に車を止め、
足湯に長いこと浸かった後、与謝野晶子の句碑の並ぶ諏訪峡を一周する。
平地ではとうに散ってしまった八重桜がここでは満開だった。
春が戻っているのである。
こんな時、旅はいいなあと思う。
道の駅は何度も来たことがあるが、
川沿いに遊歩道が整備されて公園になっていることは初めて知った。
風光明媚な峡谷を眺めながらの散策は心が弾んだ。
山桜も咲いているのである。
水上の町を過ぎ谷川温泉に向かうと、
ところどころにペンションらしき建物が目立つ。
私は和風旅館や民宿は苦手で、たいていはシティホテルを利用する。
ペンションならばホテル的な居心地が期待できそうだ。
宿は童話に出てくるような川沿いのペンションだった。
雪をかぶる谷川岳が空を覆っている。
最高の立地だ。
幸い客は私たち一組だけのようだ。
ホテルマンの主の対応もとても感じが良い。
さて、今夜の料理は評判通りだろうか、期待に胸が弾む。