世の中にはいろんな職業があっていろんな技術を持った人がいる。
今日は足場職人さんの仕事ぶりに目を見張ってしまった。
職人さんが見事な連係プレーで仕事をこなしていくのに驚いたのである。
最初、計算通りに用意された荷台上の足場パイプや足場板を全員で地面に並べ、
それらをブルーシートの上に載せていく。
シートはずっしりと重いさまざまな長さや形の金属パイプでいっぱいになる。
素人が見たらその形状の違いなど皆目分からない。
作業の号令が出されると、
少しづつ確実に形にしていく。
先に上に上り、パイプを指定する人がチーフなのか、
的確なサイズを指定する。
下にいる人たちはそれを探し、大声を出して意思疎通をし、
上にヒョイと投げて渡す。
重たい金属パイプが羽のように上に飛ぶ様は技そのものだ。
まさにその様子は「労働」と言うより、
チームプレーの球技か何かの「スポーツ」の印象を受ける。
足場は段々と高くなり、下から投げ上げるパイプが宙に伸び、
見事な連携で形になっていく。
見物している間、パイプが一度だけ落ちたが、
その人はまだ見習でいろいろと意見をされていた。
足場は10数メートルにもなって青い空に向かっていった。
最後にすっぽりとレースのカーテンで覆われ、
まるで新しい建築物のようだ。
以前は足場屋さんなんて、
ものを一つも残さない利の良い商売だと思っていた。
けれど、そうではなくて、
技術そのものを売っているのだと知り、考えを改めた私だった。