先日、郵便受けに雨が入り込んで、
送られてきた本がびしょ濡れになっていた。
玄関先にしつらえられたポストは形はとてもモダンだけれど、
時々こうして激しい雨の時には郵便物が濡れる。
大切な本がびしょ濡れになったのが残念で、
思い切って郵便受けそのものを外すことにした。
郵便受けはセメントの柱にねじで固定されていた。
蓋を開けてねじを外していたら、
ご近所さんが使いやすいドライバを持ってきてくれた。
二人で外したのであっという間に作業が終わり、とても助かった。
外してしまった郵便箱を屋根の下の濡れない玄関先に移動する。
とりあえずしばらくここに置こうとぼんやり眺めていたら、
郵便屋さんが慌ただしくバイクでやってきた。
「今日からここへ入れてください。昨日の本が濡れたから移動しました」と言うと、
何だか申し訳ないような顔をした。
そして、バッグから郵便物を出し、私に差し出した。
例のマスクだった。
「えっ!今頃?もう百円ショップでもどこでも売ってるのに」と、
私が呆れて言うと、
「すみません、そうですよね。タイミングずれてますよね」と、
またもや申し訳なさそうに苦笑いした。
国から送られたマスクは「新しい生活様式…」の説明書きが書かれ、
雨に濡れても大丈夫なように透明フィルムに入っていた。
マスクは作ったものと箱入りのがあるので、
きっとこの小さなマスクを使うことはないだろう。
注文品の本はA4の紙袋に入っているだけだった。
濡れたためにページもくっつき、無理やり剥がすと破れてしまう。
濡れたのはこっちのせいだから返品もきかない。
これが反対なら良かったのにと思ってしまった。