先日、新聞に「3県境」という新名所?のことが載っていた。
それは先月の東京新聞に航空写真で説明されていたものだ。
東武日光線柳生駅から歩いて数分なので「柳生の3県境」というらしい。
車では「道の駅北川辺」に停車して、そこから500mほどで着くことができる。
周囲には人家も少なく畑ばかりだけれど、
そこまでの道筋には迷わないように手作りの案内板が掲げられている。
新聞によると三つの県境を足で歩けるのは、日本ではここだけらしい。
確かに二つの県境はアルプスの白馬岳に「富山と長野県」が表示してあったり、
苗場山に「長野県と新潟県」があるけれど、三つというのは見たことがない。
どうやら日本には48ほどあるらしいが、ほとんどが山頂や川底という。
こんなふうに一歩、二歩、三歩と、ほとんど動かず三つの県をまたぐことは不可能だ。
新年早々、三つの県を周回したことになるからおめでたいかな?
ただし、ここは足尾鉱毒事件の悲しい歴史があって、
1918年に河川の付け替えで陸地になったそうだ。
鉱毒事件が無かったら境界は川底のままで、人が訪れることもなかっただろう。
世の中には「境界マニア」という好事家が存在し、
こんな畑の中の杭を見るため、何と年に一万人が訪れるというから驚き。
3県境には記念スタンプも置いてあり、記帳もできる。
ノートに訪問者の感想が連ねてあった。
NHKテレビでも放映されたらしく、その後訪れている人が増えている。
杭をバックに記念写真を撮るため、
手づくりのカメラ台が三つも設えてあり、
この地を愛する地元の人に頭が下がった。
辺りには畑しかないので何とかここを訪れた後、
隣接する谷中湖も歩いてほしい。
谷中湖はラムサール条約で保護されている大きな湿地帯だ。
その象徴的聖地だからなおさらだと思う。
道の駅や東武の駅に無料のレンタサイクルが置いてあったら、
観光的にも広がりが出来そうだ。
何れにしても報道とは大したものだと思う。
こうして私も行ってきたのだから。