
この時期、水辺公園を散歩するとき、栗を拾うことがある。
その栗の木は公園の入り口付近にある大木で、
小さな実の成る山栗ではなく屋敷栗で、実がとても大きい。
実はイガが開いて歩道に落ちて地面に散乱する。
実はたぶん近所の先客に採られているけれど、
よく目を凝らして探すと、取り残しが幾つかある。
開きかけのイガは靴底で踏んで無理やり割って、
艶のある茶色いすべすべとした実を取り出す。
私は秋はいつも水辺公園の栗を拾って、
年に一度の栗ご飯を炊いている。

お店の栗は1㌔単位で売っていて値段も高く、
わが家の栗ご飯程度には多すぎる。
栗は食べるのが面倒だから少しでいい。
この日は落ちている栗を探すだけではなく、
友人と一緒に枝についているまだ青いイガの栗ももらって来た。
食卓の秋の飾りにするためだ。
家に戻ると硬い皮を出刃包丁で剥いて、栗ご飯の準備をした。
ほんの少しだけれど、秋の味覚である。
同じ秋の味覚のムカゴと比べたら格段に面倒で、
拾った時の喜びも大きい。
