
以前、ゴマの種を撒いてペットボトル一杯になるほど採れたことがあった。
料理にそれほどゴマは使わないので、
友人に半分ほど上げても何年かは不自由しなかった。
無くなってからはお店で買った瓶入りの練りゴマや小袋の煎りゴマで間に合っていた。
そのためすっかり忘れていてゴマを植えることはしばらくなかったけれど、
去年、出先の道の駅で地元の生のゴマが売っていたので、
種にしてみようと買っておいた。
ゴマは紀元前5000年ほどからアフリカ辺りで利用されたらしく、
日本には縄文時代の終わりころの遺跡にゴマが使われた形跡があるらしい。
すり鉢が中国から来たのは鎌倉時代で、
そのためゴマを使う料理が広まったようだ。
ゴマはほんの少しでも値段は高い。
ケチな私はまた自分で作らなくてはと思ったのだ。
そこで、今年5月頃に種を撒いてみたら、
たくさん芽が出たけれど、わが家の貧相な菜園ではたったの五本しか残らなかった。
前に植えた時は何倍もあった記憶がある。
でも、その五本がすくすくと伸び、一本の棒のようになり、
脇からたくさんの花が咲いた。
ゴマの花は薄いピンクで次々と開いてとても清楚な感じがする。
切り花にして楽しみたいけれど、そうすると種が採れない。
開いた花が枯れて鞘のようになったら、
その緑色が褐色になるまで待つと、
鞘は縦に割れてゴマがはじけるように飛び出してくる。

そのタイミングを逃さないように毎日少しずつ鞘をねじり採るのだが、
地面にはもう落ちた種から芽が出ている始末だ。
ゴマはかなり生命力が強いと思う。
むしり取った鞘は紙の封筒に入れて手でクシャクシャに揉むと、
袋の底に小さなゴマが集まる。
私の場合、収穫するゴマの木?はたったの5本だし、
かなり下に落ちてしまっているので、
10月になって全て取ったとしても30gほどかもしれない。

それでも、無農薬で育てたオーガニックゴマである。
小さな粒でも値千金だ。