
長い間、趣味の会で席を並べていた仲間が、
ここ半年ほどの闘病の末に亡くなってしまった。
病の性質からいつかはこうなると多少の覚悟はあったけれど、
知らせは突然でショックを受けた。
もともと私はその人に誘われてクラブに入ったから、
その後、知り合いになって親しくしている友達との縁は、
彼が作ってくれたことになる。
その彼は類を見ない才能を持った人で、勉強家でもあった。
普通の人が受かることのない難解な資格試験も次々と受かって、
私たちを驚かせた。
「能ある鷹は爪隠す」というがまさにその通りで、
決して自分をひけらかさない静かな人だった。
更には決して荒ぶることのない優しい愛妻家でもあった。
最近は厄介ながん細胞も新薬や最新の治療で治ることが多く、
数年前に切除したそれはもう再発することはないと、
本人を含め仲間たちも思っていた。
現に同じクラブ内にステージ4だった仲間のガンは、
なぜかいつの間にか消えてしまい、
クラブ内で最も高齢なのに誰よりも元気になっている。
それなのに一回り以上も若い彼のがん細胞は容赦なかった。
5年目にして他の臓器をむしばみ、
半年ぐらいで治療不能となってしまったのである。
だから、彼とのお別れは涙が止まらなかった。
個人的な会話などするような友達ではなかったけれど、
長い間、毎週席を同じくしていたのだから当然だろう。
もっと生きてその才能を発揮してもらいたかった。
彼ならいろんなことがやれただろう。
今は悲しくて悲しくてたまらない。