
今年の夏こそ花火を見に行こうと思っていたのに、
とある理由で時間が足りなくなって行けなかった。
行きたかった花火大会は関東地方でも長い歴史があり、
浴衣姿の若い女性で満員の臨時列車が出るほど賑わう。
当然、地方は車社会でこんな大がかりの花火大会では駐車場に困るのだが、
幸い秘密の場所があってそこに停めて歩けば、
会場の河川敷までは10分もかからず行くことができる。
その大きな花火大会にもう何年も行っていないので、
今年は車で用事のある夫に頼んで、
向こうで夜まで待っていてもらう予定にしていた。
私は電車で行くつもりだったが、
残念ながら発車時刻に間に合わず諦めるしかなかった。
花火に興味のない夫はそのまま帰って来たけれど、
帰りはおそらく町を抜けるのに1時間以上はかかるだろうと言っていた。
花火というものは実に人を寄せ付ける。
特に子供たちや若い人にとっては一大イベントとも言える。
今年は初めてのドローン演出もあってなおさら人が多かったようだ。
花火など全く興味のない夫には申し訳なかったけれど、
花火に行列を作って行くほど私ももう若くない。
とはいえ、夏に一度も花火を目にしないのは、
何となく忘れ物をしたみたいで淋しくてならない。
わが家は平野にあり、週末になるとあちこちの町から花火の音がする。
ビルの上からだとそれらが見えても、わが家からは音だけだ。
花火の音だけを聞くのはなぜだか悲しい。
そんなわけで隣町の花火大会には水田の農道に車を走らせた。
小さな椅子に座って遠くから見物してきたのである。
その町も小さな町とはいえ、
会場付近はどこから集まってくるのか毎年若者たちでごった返す。
今年はそれを真っ暗な農道で見物してきた。
しんとした農道には6台ほどの車が止まり、
蚊取り線香をつけて簡易椅子に座り、
団扇で顔を扇ぎながら私と同じように見物している。
黒々とした畑の上の空にドカンと音がして花火が上がる。
離れているので花火の大きさはお盆ぐらいに見える。
8時から30分ほどで時間通りフィナーレになったが、
何となく迫力不足な気がした。
やはり、遠くからの花火は物足りない。
花火は煙が見えるほどの近い場所で見るのが臨場感があっていい。
そして、人波に紛れて見るのが良い。
来年は会場まで行かなければと思っている。