
「国宝」という長い長い映画を見て来た。
大分前から滅多に映画館に行かなくなって、
今回の劇場での観賞は実に久しぶりだった。
親せきの従妹が原作を読んで映画も見て来たというし、
しきりとネットの宣伝にも出ていたので、
私も行って来たのである。
どうやら主人公がテレビ界で現在とても人気のある人らしく、
公開されてからずっと人の足が絶えないようだ。
私が行った映画館は午前の部は満員で、
午後の部に前列の席だけが空いているという人気ぶりだった。
さすが新宿ピカデリーである。
映画の内容はというと、
二人の男優が歌舞伎界で活躍するという物語だった。
二人のうちのひとりは歌舞伎界には全く関係ないやくざの出で、
もうひとりは代々名家を引き継ぐ血族者である。
ところが、たまたま歌舞伎界に拾われた主人公の才能の方が、
れっきとした血を引く血族者よりも上だった。
襲名披露は世間が驚くやくざ出身の彼になった。
そのことが悲劇のもとになっている。
歌舞伎に全く興味のない私でも、
この二人の女形の芸の素晴らしさには目を見張った。
演目は「関の扉」、「藤娘」、「連獅子」、「二人藤娘」、
「二人道成寺」、「曽根崎心中」、「鷺娘」など場面に合わせて展開され、
3時間もの長い時間、ひとつも退屈せずに見ることができた。
映画は迫力ある大画面でごまかしなど効かない。
二人の俳優は1年半ほど歌舞伎の動きを練習したというが、
さすが俳優だと思った。
それが内容よりもいちばんの見どころだった。