
先日、花で有名なとある山に登るために、
暗くなる前に現地に着くため家を昼下がりに出た。
そこはこの時期にしか見ることのことのことのできないお花畑がある。
何度訪れても飽きない山で、そこに登るのは段々とてもきつくなる。
花が人気になってそのせいで駐車場も数年前と比べると4倍ほどに広くなった。
無料だった駐車場も有料になり、トイレもきれいになった。
おかげで遠方から花好きの登山客が押し寄せてくる。
6月は雪も解けるのでいっぺんに春の高山植物の花が咲く。
その美しさといったら、一度知ってしまうと毎年来たくなり、
リピーターがほとんどである。
着いた時には駐車場には10台ほどの車しかなかったけれど、
次々と増え、私の車の隣にも立派なスポーツタイプの車がやってきた。
朝になったら満車になるような勢いだった。
ドアを開けてさっそうと降りて来た人は女性一人で、
私と同じようにここで泊ってから早朝に山に向かうようだ。
私たちは外の地面に座って、
前夜祭のようにビールを飲んでくつろいでいたので、
彼女と挨拶を交わすことになった。
「ひとりですか?」と尋ねると、「そうです。」と、
人懐こく明るく応えたので、
持ってきた庭のミニトマトやキュウリをごちそうした。
すると、彼女も缶ビールと椅子を持ってそばに座った。
彼女は高速を飛ばして都会から来たようで、
下道を来た私たちよりも遅く出て早く着いたようだ。
それからというもの山の話が尽きることなく、
朝まで続くようだった。
とはいえ、他の客たちは8時にはもう車内の灯が消え、
彼女との楽しい話は1時間ほどでお開きにしなければならなかった。
お互い「明日山のどこかで合うかもね」と、
お休みを言って車内に入った。
翌日、隣の彼女はまだ寝ていたけれど、
鈍足の私は4時半から歩き出した。
私の体力では倍近く余裕がないといけない。
水を2リットルも背負っているし、
この山は標高差が千メートルあるのだ。
果たして彼女は私に何時頃追いつくだろうか。
そんなことを想いながら、過酷な急坂の続く山道を歩き続けた。
3時間ほどしたら昨夜の彼女が私に追いついた。
何と私より1時間も遅く出発したのにその速さだ。
二人の写真を撮ってもらい、またそれぞれ歩き出すと、
山頂ではこれまた1時間も早くに着いていた。
下山も私よりかなり早くて、
二人のタイムは私が8時間、彼女が6時間だった。
つくづく体力の差に驚いてしまった。
登山は決してタイム競争ではないけれど、
私のように鈍足な者は何かあることさえ考えて、
少なくても標準タイムの2倍は取らなければ安全ではない。
つくづくわが身を知る体験だった。