
大屋根リンクはギネスも認証した世界一の木造建築物で、
屋根の周りは2キロもあり、その大きさに圧倒された。
6万㎡の広いリンクの中に外国のパビリオンがひしめくように建っている。
それら建造物のどれもが自国の技術の粋を集め、
万国博覧会というものの本当の意味を見せつけている。
日本は1867年のパリ万国博覧会に初めて参加していて、
この時できたエッフェル塔は、今も堂々とパリの町を見下ろしている。
今回の日本で開催された万博は残念なことにその全ての国、
いや、一つだけでも中に入って見物できないということか。
主催者は一日に13万人の入場者を目標にしていて、
私たちが訪れたその日は今までで最高の14万人に近かった。
博覧会なのだから本当は全部見てその意味が成り立つ。
事前予約の抽選に当たった人はともかく、
ふらっと来ている人たちは人気のパビリオンで2時間以上立って並ぶのである。
真夏になったら炎天下だから心配になる。
入場者の何パーセントが何れかのパビリオンを見物できるのか?
予約なしで並ばずに見物できるのか?
そうしたことを想定されて作られたのか?
13万人をパビリオンの数で割り、時間で割ったりすれば、
何人の人が幾つ見学できるか分かるのではないだろうか。
それこそAIの得意とすることだ。
地元の人はお得な通しチケットを買って毎日でも通える。
だが、遠来の客は一度きりだし、
7500円という入場券と新幹線や飛行機などの交通費、
そして、滞在費がかかる。
とてもとても敷居の高い万博である。

そんなことを考えながら、壮大ともいえる柱の回廊を歩いた。
各国のパビリオンの入り口には人々が順番を待っている。
私のように一日切りの見学者ばかりなのか。
だとすると、気長に並んで運よく入れたとしても、
せいぜい3か所程度にしかならない。
たったの5時間程しか会場にいなかったけれど、
履きなれない靴のせいで足がひどく痛んでいた。
大屋根の木道は使い捨てスリッパに履き替えて歩いていたが、
さすがに地上に降りてからは格好悪いので窮屈な靴に戻った。
大阪万博という時代のイベントに現実に触れたということだけで、
きっとずっと心に残ることになるに違いない。
最初に運よく入れた未来館は心に残ったし、
大屋根リンクの雰囲気も味わえた。
出口に1時間は並ぶというほど夜はもっと混んでくるらしい。
まだ今はすんなりと進めるのでここでやめて、
東ゲート先にある夢洲駅に向かおう。
そう決めて会場を後にしたのだった。