
大阪万博①
ひょんなことから大阪の万国博覧会に行くことになった。
科学にほとんど縁もなく博覧会にも興味もなかったけれど、
ちょっとした私的なミッションも兼ねて決行したのだった。
だから、人任せの申し込みだった。
博覧会に行った当日は、着いたのが平日のお昼頃で、
最寄駅からバスに乗っていく西ゲートの方から入場した。
チケットもそれぞれのQRコードをスマフォに読み込ませるが、
このバスも同様に乗車時間を予約しなければならなかった。
パビリオンの予約も同じだった。
このやり方は未来のない老人には絶対に難しい。
西ゲートは東ゲートと違い、
この日は、2時間待ちなどと報道されているような待ち時間もなかった。
夢洲駅からいきなり会場に向かうことのできる東ゲートは利用者が多いのである。
バスを降りると万国旗が海風に翻る会場にすんなりと入ることができて、
その簡単さが不思議な感じだった。
無料の給水場も2、3人しか並んでいない。
入場はできても外国パビリオンなど予約が全て外れだったので、
まずは会場内をそぞろ歩き、空を飛べない「空飛ぶ飛行機」を見たり、
並ばなくても入ることのできる建物内に入り、
何やらデジタルを駆使した仮想空間の体験をしたりした。

空いているとはいってもほとんどの施設には人が並んでいて、
ひとつだけ自分たちも予約なしの列に立って並んで待つことにした。
何をやっているのかも分からず並んだのだけれど、
幸い30分ほどで入ることができ、これは幸運だった。
なぜなら真っ暗な会場に入った途端に驚いたからである。
巨大な壁に人類が狩りをしていた頃からの映像が流され、
それが農耕や工業やと今の時代まで進み、
そして、これからの未来が展開されている。
この映像はデジタルとはいえど圧巻だった。
そして、次々と面白い出し物?があって、
子供から大人まで楽しめるようになっていた。
どうやら「未来の暮らし」がテーマらしい。
もちろん農業のコーナーもあったけれど、
人間の目指すものが移動の利便さと、
速さに特化されているみたいで気になってしまう。
確かに私たち人間はいかに速くいかに楽にを目指してきた。
でも、未来の町には歩く人がおらず、
ほとんどの人が空飛ぶ車などに乗っていて、
部屋にいても未来の屋根はドローンが運んだものを、
部屋の住人は玄関に行かずとも受け取ることができるようになっている。
岩山を登るのも下るのも馬に似せたロボットである。
山は自分の足で登ってこそ達成感が味わえる。
人はいつ歩くのだろうと首をかしげた。
この壁一面の映像は繰り返し映し出されているので、
足場の悪い災害地での困難な救難活動などの画面でこれを作れば良かったのにと、
ひねて思う私だった。