
先日、いつものスーパーに行った時のこと、
そこは現金だけのお店なので、
いつものようにお財布からお札を出してそれで支払った。
店員さんは私のお札を普通にレジに入れたのだが、
何度やってもお金が吸い込まれず戻るのだった。
お札は人工頭脳に拒まれたのである。
店員さんはマイクで店長さんを呼び、レジの不調を説明した。
店長さんによると、私の5000円札紙幣は三世代前のものらしく、
このレジでは読み取ることができないから、
銀行の窓口で新札に替えてもらうように言った。
1万円札があったので、仕方なくそれで会計は済ませたのだか、
さて、この古いデザインの5千円札、どうしたものかと考えた。
このぐらいのことで銀行に行くのも面倒だし、
どこか他の店で試してみようと思った。
その後、荷物を送るために運送会社の事務所に行く機会があった。
支払いの時、その旧札を恐る恐る渡したところ、
係の女性は何事もなく奥の引き出しからお釣りを持ってきた。
何とレジが自動の最新式のものではなく、
人間が数えるただ機械で開くだけのものだったのだ。
そこは、QRコード決済のできる大手運送会社だから、
何もかにもデジタルだと思っていたが、
何の事なく旧札は受け付けられお釣りをもらった。
別の時間の隙間からこの世界に紛れ込んだ旧札、
描かれた人物は新渡戸稲造だ。
確かに古くてその札は、
お札が私の手から離れる時、
気のせいか別れのウインクをしたようだった。