
ミカンの木の葉っぱにまるまると太った青虫がくっついていた。
それは、アゲハチョウの青虫で、黒と白のまだら模様のある小さなものは、
どうやら幼虫らしい。
食欲が旺盛なのか虫のいる葉は丸坊主に近い。
この虫がこうして葉っぱを食べとしまうと、
せっかく腰辺りまで育ったミカンの木が成長しない。
虫には申し訳ないけれど、全滅させなければならない。
そんなわけで虫を発見した日からは、
目を皿にして緑色の虫を探した。
葉っぱと同じ色をした青虫は、
その姿が葉っぱと一体化しているように見えて、
つい取り残した。
見つけると一匹一匹カップに振り落としていく。
子供だったら素手で触ることができるのだろぅけれど、
私には気持ち悪くてできない。
でも、よく見るとユーモラスな顔をしているではないか。
何だか私を見ているようにも見えて両親が痛んだ。
この虫にだって存在する理由があるから、
この世に登場しているのだと思う。
ミカンにとっては大敵でそれを食べるヒトにとっても迷惑だけど、
花に止まるアゲハチョウの美しさは他のものでは替えられない。
このフアフアとした青虫が、
大人になったら全く色も違う羽のついた蝶々になるなんて想像できない。
自然界の生き物は何と不思議なのだろう。