
先日、近所に住むミャンマーの方が私に駆け寄って来た。
奥さんが作った手作り料理を食べて欲しいと言うのだ。
この方はいつもにこやかで、
私に会うと車の中からでも挨拶してくる。
引っ越してきたのは2年ほど前で、
この家族には小さな可愛らしい子供がいる。
その女の子も父親に似て人懐こくて、
たまに会うと私に嬉しそうに手を振ってくれる。
どんな理由で内戦状態の祖国を離れたのかは知らないけれど、
日本に住んでから長いみたいで言葉には不自由ないようだ。
奥さんの方は細身の静かな美しい人で、
いつもヒジャブというのかどんな場合も頭にスカーフを被っている。
夫さんは先月の末に私に飛びよって話しかけて来た。
「今日からラマダンに入ります」と、
わざわざ教えてくれてくれたのである。
彼が説明するにはラマダンは約ひと月間で、
日の出から日の入りまで食事や水など何も口にしたらいけないのだそうだ。
とても厳格で薬なども飲まないらしい。
彼らはイスラム教徒なので、
私の住む町は多くの外国人がいて、
特にこうした東南アジア系の人が多い。
今は世界の人口の4人に1人がイスラム教徒で、
こんなに多くの人が断食月を励行していることになる。
あらためて考えると驚いてしまう。
渡された奥様の手作り料理は見るからにエスニック風で、
これがベジタリアンの料理なのかと思うほど、
濃厚なお肉ふうの味がした。
ココナツ味の甘いデザートも美味しかった。
彼はラマダン月があった方が健康に良いと言った。
ラマダンのおかげでガンなどの病気になりにくいと強調し、
私もやったらどうかと勧めてくれた。
私には日の出から夜までの間、
お茶一杯飲まないで過ごすなど考えられない。
でも、いつも飽食で満腹の食生活を考えると、
1年の内の一月ほどそんな暮らしがあるのも確かに身体に良いのかもしれない。
もちろん私には絶対にできない。