長いこと使っていた山岳用のテントマットを新しく買った。
以前のものは大分劣化してしまい、マットのへりの1箇所にほつれがあった。
そこから空気が抜けるので、口で吹き入れても膨らまなくなっていた。
それでも、山岳メーカーの優れたブランド品だったので、
自然に膨らんだ分でさして寝心地の悪さを感じなかった。
とは言え、使い始めの頃とは違い、地面が固いと気になった。
最近は仲間たちにマットを新しくするように強く言われ、
なぜか先日、詳しく調べることをせずに、
友人が使っているものと同じものを注文してしまった。
送られてきたものは重さは500グラムと変わらないけれど、
長さが私の背よりはるかに大きく、今までの倍近くある。
口から息を吹き込むと、パンパンに膨れて薄いベッドのようだ。
前のはそのまま折りたたんで背に入ったのだけど、
これはきちんとエアを抜かないとかさばってしまう。
めんどくさがりの私にはマイナス要因だ。
さっそく忘年会の里山に持っていき試してみた。
友人が買った時より値段が倍近く上がって、1万5千円にもなっており、
もう少し他のメーカーも調べたら良かったのにと呆れられた。
ただ命を守る登山用品でもあるし、
良いものに越したことはないのである。
昨今の値上がりのせいで仕方ないかとも思う。
でも、裏側の滑り止め的な素材は、
友人のそれよりも格段に優れていて、
旧型を持っている友は感心していた。
ただもう少し短かければ重さも軽いし、
収納もコンパクトだっただろう。
そう思うと、今回の発作的?衝動的な買い物は失敗だったのか。
そもそもテントマットなど多くても年に4回ほどしか使わないのだ。
仲間に愚痴ながらシュラフにゴアテックスのカバーをかぶせていると、
「テープが剥がれてるよ、これも新調だね」とからかわれた。
カバーは羽毛のシュラフを雨や雪の水分から守るためにあり、
縫い目の全てにはテントや雨具と同様にシームテープがほどこされている。
その紐が劣化のために剥がれてしまい足に絡る。
でも、これはマットより高価なのだ、絶対に自分で修繕しよう。
そう強く思う。
新品のエアーマットは地面が枯葉のベッドのせいもあってか、
いつも使っている家の布団と変わらない寝心地だった。
やはり、良いものは良い。