北海道に新幹線を利用して行くことになった。
それはたまたま新聞で見た旅行会社の広告で見つけたものだった。
3泊4日のホテル付フリープランだった。
ホテルと電車以外は全て個人旅と同じである。
旅は団体ではなく個人旅行が好きだけど、
ホテルを選んだりするとかなり高くつく。
それでも、気ままにプランを変えられる魅力は捨てがたい。
新幹線だと飛行機より高いのに、ホテル付で5万円とは破格の価格だ。
スポーツクラブの仲間を誘うと、一緒に行ってくれると言う。
ひとり部屋だと高い追加料金が取られるのでこれは有難かった。
行先は函館だけれど、目的は山登りを1日入れた市内観光である。
友人も少しは山歩きに関心があるので私が詳細に調べてガイドしよう。
だから、躊躇うことなくネットで予約した。
北海道へは東京からだと大宮、仙台、盛岡、新青森と5つの駅を経由して、
4時間もかからず目的地へ着く。
「はやぶさ」という新幹線だ。
私の住む北関東からだと仙台で乗り換えることになる。
待ち合わせ時間があるけれど、約4時間半の乗車だ。
これは「やまびこ」という列車名で、
仙台で「はやぶさ」に乗り換えることになる。
山仲間たちが北海道の登山計画をよくしているのに感心していたら、
こんなら早くに着くことができるようになったからか。
飛行機なら1時間半もかからないと思うが、
空港までのアクセスが面倒だ。
考えてみれば8年ほど前に新青森から開業しているのである。
360キロの距離に、しかも海底地中奥にレールを敷くなど、
普通の頭では想像もつかない。
こんなに早く北海道に着くなんて、
今浦島のような私は全く知らなかった。
この線はいずれ札幌までつながるらしいが、
当初の2030年完成を大幅に遅れているらしい。
去年の夏は往路は飛行機を使ったけれど、
帰りはわざわざ鉄道にした。
それでも、開業したばかりの長崎新幹線にはわざと乗らず、
博多のバスターミナルまでバスで行った。
往時を知っているものにとって、
変わり果てた路線を通るのは嫌だったからだ。
旅人の私は北海道に行きやすくなったけれど、
きっと地元の旅に関係のない人々にとっては、
様々な思いが錯綜しているのかもしれない。