テラスに住むヒヨコさんたちのおやつのために、
毎日何度も、おそらく5、6回ほどか、
庭のタンポポやカタバミを採っている。
ヒヨコは小松菜がとても大好きだけれど、
一束200円近くしてせいぜい週に一度ほどしか上げられない。
配合飼料はベースの食べ物だけれど、
ヒヨコは四六時中首を長くして私のおやつを待ち望んでいる。
キャベツは近くのスーパーの野菜売り場で、
買い物客が捨てた外側の葉を貰ってくることができる。
だから、とても経済的でヒヨコさんたちもパクパクと喜んで食べる。
でも、どうやら毎日上げると体にあまり良くないらしい。
それより何よりヒヨコさんは生きた虫が大好きである。
放し飼いなら自由に土を掘って虫探しができても、
二階の人工的なテラスではそうもいかず、
私が虫取りをして与えなければ生餌にありつかない。
そこで、草むしりをするたびに虫取り網で蝶々を捕まえたり、
葉っぱに止まっているバッタを取って上げる。
もうこれは完全な日課になっている。
ヒヨコは虫を見ると大興奮し、我先にと狂ったようにそれらに食らいつく。
そして、他の仲間に横取りされないようにするためか隠れて食べる。
その運動会のような様子が面白くて、
一日に何度も虫取りをして上げることになったのだ。
中でもきれいな緑色をしたバッタがいると、
すかさず掌でじかに捕まえる。
オンブバッタは小さな子供のようなバッタが、
その4倍ほどの大きさのバッタの上に乗っている。
虫は大嫌いだったけれど、よく見ると美しい。
調べてみたら大きいのはメスで、小さいのはオスなのだそうだ。
というと、愛する二匹なのか?
それを残酷にも私は瓶に入れてヒヨコ達に献上する私。
一応、虫たちには「ごめんなさい」と謝っている。
さて、今は私がハンターだけれど、
あの子たちが自然の中で思い切りハンターになれる日はあるのだろうか。
わが家は山の家と違って住宅街である。
とても気の毒でならない。