
このところ夜になるとあちこちから花火の音がする。
ここは関東平野の地で山や谷で町が分かれているわけではないので、
近隣の市や町の花火大会の爆音がしっかり聞こえる。
でも、二階のテラスに上ってもそれは音だけで、花火そのものは見えない。
花火は見るものであって爆音を聞くものではない。
だから、せめて大輪のものだけでも見えたらと外に駆け出したりするのだが、
音だけが賑やかで何だかやりきれない気持ちになる。
そんなわけで欲求不満か溜まりに溜まり、
今日は隣町の花火大会に6年ぶりに行ってきた。
大勢の人たちが集まっているので、
ひとりでは惨めすぎて友達を誘った。
普段は静かな農村地帯なのに会場手前から相当の人が集まっていた。
広い芝生広場は歩けないほどテントが張られたり、
マットを敷いて座っていたりと仰天するほどの人込みだった。
驚くことにその人々の9割以上が若者だった。
老人しかいないような田舎町にこんなに若者がいたっけ?
きっと近隣の花火好きが集まって来たのだろう。
どうやら4万人も集まっていたそうだ。
その若者たちの熱気に圧倒された私たちは、
芝生の隙間をようやく見つけて地べたに座った。
人の足の間という感じである。
缶ビール1本を飲み、今度は寝転がっていると、
やがて、8時、花火開始のアナウンスがあった。
ドカン、ドカンと景気の良い爆音が続く。
花火は夜の空に夢が描かれるようでずっと見ていても楽しい。
若者たちの後ろ姿のある夜空に閃光が光り輝く。
横になりながら空を見上げて、
これが私たちを狙う爆弾ではないことの幸運に感謝した。