案内されたお店には高価な白いソファが並べられていた。
その数はバス旅の乗客の分があって、
私たちの前にも別のツアー客があったようだ。
最初に健康についての話があり、
ここで取り扱っている商品がいかに身体に良いかとの説明があった。
案内の女性は明るくてはきはきしており、ユーモアもある。
その説明が終わると次の部屋に案内され、
先ほどの商品が並んでいて体験できるようになっている。
確かに良いもののようだけれど、安いもので値段が60万円以上もする。
それを分割でも良いからと勧められるのである。
値段が高いので、契約する人など一人もおらず、
そんなに押し売り的でないので何だか気の毒になってくる。
富裕層の人でも一度買えばもう買わないだろうし、
販売人の多さにも驚いた。
もともとここに参加した人たちは、
ここで高額な買い物をする気持ちは一切ないようだ。
そのことをバス旅行の運営会社は知っているに決まっている。
なのに、どうして旅の募集を続けているのだろうか。
それは、この工場を経営している人の要請によるものなのだろうか。
ますます謎が深まるばかりである。