私は楽器の世界がとても好きだけれど、
これまで吹奏楽器には全く触れる機会がなかった。
ところが、最近身近にそれを知ることになり、色々と驚いている。
ピアノや弦楽器ならそれを演奏するために、
何か特別な器具は必要なく、両方の手があれば弾くことができる。
でも、これが管楽器となるとそのままでは音が出ないものがある。
しかも両手の指以外に口からの息が必要となる。
楽器の口にマウスピースというものをつけなければならず、
そのマウスピースにリードという植物でできたものを固定する。
ハーモニカのように内部にリードがついていない。
このリードはヨシの一種であるダンチクという植物でできていて、
自分で作る演奏者も多いという。
リードはリガチャーというもので固定され、リードの振動を助ける。
それらがあって初めて音が出る。
こうして調べてみると片手で持てる大きさなのに、
弦楽器と比べると結構複雑だ。
弦楽器の場合、消耗品は弦と弓の毛ぐらいで、
この場合、かなり使い込んでも本人が我慢できれば支障がない。
その上、管楽器は実際に聴こえる音と音符の表記がずれていて、
これまた慣れるまで大変な気がする。
フルートなどは基本のCなのでそのままだが、
クラリネットはCの五線譜では半音が二つ下がったBの♭の音になる。
だから、B管と呼ばれ実音が違う。
こういったことを知ってから小中学生の吹奏バンドを見たりすると、
なかなか大変だろうなと思ってしまい、以前と感慨が異なった。
肺活量の安定した高学年からではないと始めることができない。
そう思うと、両者には楽器との触れ合いに何年間もの差があることになる。
だから、管楽器で秀でた演奏者は、
より音楽的才能の持ち主といえるのではないだろうか。