不思議な映画を見た。
それは、ユーチューブ動画の無料映画で3度目でやっと見終わった。
とはいえ、何を言いたいのか分からない。
時の概念の不確かさなのか、答えは見つからない。
内容は過去が現在になり、現在が過去となり、
過去が未来となり、未来も過去になる。
つまり、メビウスの輪を回っているようだ。
喋る音声も馴染みのない言葉で、
最後にハンガリー映画ということが分かった。
題名はずばりメビウスの輪を想像させる『LOOP』というもので、
見ているうちにこちらも迷宮にはまり込む。
時間がワープして繰り返され、主人公は混乱する。
それはまるで山頂まで岩を持ち上げ続けるシジフォスのようだ。
シジフォスは神を欺いたため、
その作業を永遠に続けなければならなくなった。
どうやら主人公は犯罪者で、
罪に対しても悩んでいて、同棲する恋人との関係にも、
はっきりとした自分の気持ちがつかめず、
心の内で二つの善と悪のような相反する自己が戦っていた。
そんな状況がメビウスの輪のように展開される。
精神障害者の妄想を描いているようだったし、
何度も何度も繰り返されるシーンはSFじみてもいた。
その不可解さに諦めて閉じてしまったけれど、
3度目の今日、やっと結末までたどり着いた。
最後のシーンは息をこらして画面を見つめてしまった。
娯楽映画も大好きだけれど、
時にはこうした難解な映画も良いものだ。
おかげで「無限」の印でもある、
メビウスの輪を紙を切って作ってみることになった。