富士山に近い大きなキャンプ場に行ってきた。
そこは北関東のこちらと違って都会から近いので、
たくさんの人たちがやって来ていて場所取りが大変だ。
そこは予約も要らず、
思い立ったら出かけていくことのできる数少ないキャンプ場だ。
ただし、車とテントの空きスペースがなければ、
泣く泣く引き返さなければならない。
自由なその分、施設もそれほど立派ではないけれど、
広い森の中には沢も流れていて、小さな子供たちも楽しむことができる。
メインスペースには池が作られ、
肌寒いのに水浴びをしてる少女たちもいた。
それにしても、最近のキャンプを観察すると、
昔のように不便を楽しむのではなく、
便利なものに囲まれ過ぎていてとても驚くことがある。
さすが、ひと頃と違ってテレビなどは見かけなくなったけれど、
専用のグッズが目を見張る。
昨今のキャンプブームがそうさせたのか、
色んなメーカーがキャンプ用品を作るようになったのだ。
そのせいかキャンプ人は便利でおしゃれな道具に囲まれ過ごしている。
コロナの時代の影響もあるのだろう。
テントのスタイルも年々替わり、今は底のないテントに、
コットという細いベッドを置いて寝るのが多い。
これは結構重いので車無しでは難しい。
野営とは本来は昔の西部劇のように寝具も何もないものだ。
こうしてモノに溢れた中でやるキャンプは、
車があって初めて可能になる。
人々は車にあらゆるものを詰め込んでテント場に来るのだ。
焚火だけが日常と異なり、その炎や煙や臭いが、
かつてのヒトの本能を呼び覚ますのだろう。
とはいえ、私たちのキャンプ道具は、
いつものようにとことんあり合わせを工夫したものだった。
ただ贅沢なものは滅多に口にしないふんだんな肉のご馳走と、
丸太を燃やすスウェーデントーチだ。
(写真下 トーチでマシュマロを焼く)