ひょんなことから伊勢に来てしまった。
いわゆるお伊勢参りというやつ。
神社についてどうのこうのというのはないけれど、
あちら方面に行くついでに足を延ばすことになったのだ。
関東に住む者にとって近畿地方や伊勢方面は地理が全く分からない。
電車もどんなふうに走っているかも分からない。
人間って私は特に、
自分のテリトリー以外に人が住んでいることさえ不思議に思える存在だ。
だから、ネットで調べたとおり行くしかなかった。
名古屋で新幹線を降り、近鉄電車のホームへ向かう。
この時は伊勢市にJR線も通っているとは知らなかった。
とにかく近鉄特急のビスタカーという座席指定車に乗り込んだ。
桑名とか津とかの耳慣れない駅を通ると、
遠景には雪を被った山々が見えたが、あれらが鈴鹿山脈なのか?
御在所岳あたりなのか?
南の方に行っているのに雪があるのが不思議だった。
そんなことを思いながら1時間半ほどで伊勢市に着いた。
駅に降り立つとここがかの有名な伊勢神宮が鎮座する町とは思えないほど、
とても地味で静かなところだった。
駅前によくある高層ビルなどが見えなかった。
駅から歩いてすぐに外宮という最初にお参りすべき宮があると言うので、
早速向かうことにした。
伊勢神宮とは天照大神を祀っていて、
天皇家と深く関わりのある神社で、
1300年ほどの歴史があるという。
それも20年ごとに建物を建て替える式年遷宮という習わしがあり、
戦国時代を除けばそれが滞りなくずっと続いているというから驚きだ。
神社というものの力を感じざるを得ない。
遷宮とはどういうものなのか、とても興味がある。
この目でその仕組みみたいなものを少しでも確かめてみたい。
でも、まずは名物だという伊勢うどんを食べてから鳥居をくぐろう。