先日、スーパーで買物をした時のこと、
私はあわや車に轢かれそうになった。
荷物を車に乗せた私は、
いつものようにカート置き場に向かっていた。
その時、突然背後に何か妙な風を感じた。
振り向くと白い車が私の真後ろにあって、とても驚いた。
その距離は私の身体から何と5センチほどしかなく、
殆ど触れているのと同じ感じだった。
幸い身体に1ミリもぶつからなかったので、
私は車をちらっと見ただけで、
何のアクションもせずにカート置き場に行った。
カートを置いて戻ってきても、
先ほどの車は駐車場の通路に止まったままだった。
車のそばまで来ると、
とても小柄の女性が、ドアを開けフラフラと下りて来た。
そして、「すみません。ごめんなさい」と、
何度も苦しそうに頭を下げるのだった。
時刻は夕方で空が曇っていつもより暗かった。
この時間はとりわけ事故の多い時間帯だ。
彼女が言うには私の姿が全く見えなかったという。
突然フロントガラスに現れたとか。
だから、もう駄目だと観念して急ブレーキを踏んだという。
幸い車は私の直前で止まった。
もう心臓が止まるほど恐ろしかったとか。
カートを戻す時は誰もが走ったりもしないし、普通にゆっくり歩く。
カート置き場に向かう時はちゃんと左右を確認しているが、
私ももっと注意すべきだったのか。
彼女の言う通り、私の姿が全く見えなかったに違いない。
この日のシャツの色はどちらかというとアースカラーだった。
視野に入りにくい色なのだろうか。
私と違い彼女の身体は震えが止まっていない。
私は「良かったですね、お互いに気をつけましょうね」と笑って応えた。
でも、もしそのまま彼女の車が私にぶつかっていたら、
どんなことになっていただろうか。
恐いもの知らずの若者だったら、
駐車場の中でも徐行運転をしないかもしれない。
今頃は意識不明の重体でベッドに寝ているかも知れない。
庭の花さえ愛でられない。
その後の人生は不幸なものになる。
加害者側も同じことが言える。
そんな意味では私たちは九死に一生を得たのだった。
車社会では連日こんなことが起こっていると思うと恐ろしくなる。
特に薄暮の頃は気を付けよう。
今回の件は両者とも運が良かったに違いない。