飼っている金魚の色が黒から赤に変わったことは、
いつ眺めても首をかしげてしまう。
飼育環境でそうなったのか元々のDNAが原因なのか、不思議だ。
この金魚たちはどうやら人間の気配が分かるようで、
私が水槽に近づくと催促するかのように口を開けて暴れ出す。
今は3匹とも同じ色をして同じ動作をするので滑稽だ。
その姿が可愛いので、つい餌をやってしまうのだけれど、
どうやらこうした小魚は餌はなくても大丈夫なのだそうだ。
元々金魚たちには胃がなくて満腹と言う感覚がないらしいから、
常に口をパクパクさせているらしい。
誰も金魚になったことはないのに本当なのだろうか。
水の中には人には見えないプランクトンのような生き物がいて、
植物の藻なども発生して、金魚たちはそれらを食べて生きられるという。
人間も同じように生きられたら、今の物価高騰の騒ぎも無関係なのに。
金魚の色変わりが珍しくてつい鉢を眺めてしまい、
餌をやり過ぎるために水槽は常に茶色く濁っている。
いつもかつも水面で口をパクパクしているのは、
餌が欲しいのではなくてきれいな水が欲しいのかもしれない。
それで、毎日のように新しい水を足してやっている。
とても面倒に違いないが、金魚たちにはそれだけの存在価値がある。
彼らは水槽の外の世界の私に、何か一生懸命アピールしているようだ。