車に乗り込むと温度計が44度となっていた。
今までこんなに高くなったことはないのでさすがに驚いた。
クーラーの嫌いな私だけれど、仕方なく冷房のスイッチを入れた。
焼け付くアスファルトを行き交う車は、
当然ながらほとんどが窓を閉めてクーラーをかけている。
車内の人間はきっと冷蔵庫のビールのようにキンキンに冷えているのだろう。
その代わり外はますますヒートアイランドになる。
その結果がおかしくなった世界の気候変動である。
一体全体次世代の子供たちはどうなるのだろう。
クーラー一つで私はそこまで考えてしまう。
それに。私はどうもあの電気的な冷気がとても苦手だ。
だから、家でも車でもクーラーをかけることは滅多にない。
昨日は夕方に部屋が34.1度もあったっけ。
外気温44度はさすがに危険なのかなと思い、
しばらく窓を開けといた後に、仕方なくスイッチを入れた。
今年初めてのクーラー使用の記念すべき日だった。
1時間半ほど走ると、いつも立ち寄るガソリンスタンドがある。
その辺りまで来ると時々窓を全開にして走る車を見かけた。
街路樹は強い風で揺れていて涼しそうだ。
ガソリンを入れるため外へ出たら、
自然の風が頬にあたり何とも心地よかった。
ここからはクーラーを止めて窓を全開にして走ることを決意した。
車の温度計は37度に下がっている。
窓から涼しい風が吹いてきてクーラーの風より気持ちよい。
でも、行き交う車は相変わらず窓を閉めている。
赤信号では隣車線の車列に見られているような気がする。
何も悪いことをしていていないのに、
何となくプレッシャーを感じてしまう。
窓を開けている車を見ると嬉しくなる。
この気持ち、多分、同調圧力によるものかもしれない。
やたら、マスコミが「熱中症に気を付けて」などとうるさく言うので、
それに従わない私が悪者に思えるのだ。
おかしな話ではないか。