遠くに住む友人が手作りの柿酢を送ってくれた。
それは柿でできた貴重な酢で、去年も今頃頂いている。
手作り派の私はこうしたものが大好きで、
4本も頂いたのにとっくに使い切っていた。
秋に別の友人宅の柿を少し分けてもらった時、
この柿酢を真似して作ってみた。
その時は、雪深い別荘地に住む彼女に電話で作り方を聞いた。
ただ熟した柿を甕に入れるだけと教えてくれた。
彼女が送って来た柿酢は4年物で、透き通った瑪瑙色をしている。
家には広い地下室があって、
そこで大量に作って保管しているとのことだ。
ほったらかし酢だと謙遜する。
こうした手作りの調味料は、大量に作らないとうまくいかない。
ままごとのような私の柿酢は、水分が全く浮いていなかった。
これでは何年か置いていても酢はできずカビるだけだろう。
大きな甕いっぱいほど熟した柿がないと、こうした酢は作れない。
お味噌もある程度の大豆の量がないとうまく作れない。
売り物となると味噌や醤油など、人の高さほどある木樽で作られる。
私は吹雪舞う別荘地の地下室を頭の中で想像してみた。
冬は地下室の整理ばかりしているという彼女、
いつかそんな季節に訪問してみたいと思っている。